Free The Tone MS SOV MS-2V

Free The Tone MS SOV MS-2Vのレビュー

Free The Toneのオーバードライブペダル、MS SOV MS-2Vを買いました。ギタリスト、マット・スコフィールド氏のシグネチャーモデル「MS SOV SPECIAL」をスタンダードモデルに落とし込んで復活させたペダル。

生産完了となったカスタムシリーズのサウンドクウォリティーをスタンダードで再現すべく、パーツから生産工程まで全てを見直し、サウンドの調整を施しました。

とのことで、いくつかのレビューを見る限りカスタムモデルとの差は普通に使う分には全く感じられないみたい。

いつか買おうと思っていたところ、先日ディスコンになってしまい後継モデルも出ないとのことなので、意を決して購入。

スペック

  • 入力インピーダンス:1MΩ
  • 出力インピーダンス:200Ω以下
  • コントロール:GAIN、TONE、LEVEL
  • 消費電流:最大約90mA
  • HTS(Holistic Tonal Solution)サーキット搭載
  • +/-15Vdcの内部昇圧
Free The Tone MS SOV MS-2V

オーバードライブペダルとしては異例に消費電流が多いです。内部昇圧15vによるものだと思われますが、これだけ多いともはやACアダプターのみで、電池駆動にはしなくても良かったんじゃないかなあ。

外観

GAIN、TONE、LEVELの超オーソドックスな外連味の無いコントロール部。フットスイッチは、ガチッとしっかりした踏み心地のタイプ。筐体も真っ赤、というか深めの赤で渋くかつ目立つ。3倍速いかどうかは知らない。
Free The Tone MS SOV MS-2V

サウンドレビュー

ギターはINORAN ROAD WORN JAZZMASTER、アンプはAmplitube 4の「JH Gold」。モノホンのアンプはまだ持てないですねえ。

一番好きなセッティングは、1枚目の写真みたいにツマミがLEVEL2時半、TONE2時、GAIN11時くらい。
まず一発コードを弾いて感じるのが、低域のふくよかさ。しっかり低域が出ます。中高域もしっかり出ていて、どちらかというとカマボコ型の音域。それでいてダルダルでないのは、音のスピードのレスポンスが速いからかな。バッと弾いてバッと音が出てくる。気持良い。

GAIN幅はめちゃくちゃ広い。ゼロにするとしっかり綺麗なクリーントーンになる。ただ、無味無臭なクリーンではなくちょっぴりMS SOVのキャラが入ったクリーン。GAINを上げていくと、13時くらいまではワイドレンジでザラッとしたクランチ、13時以降になるとかなり太く歪ませられる。クリーンブースターから単体でも使えるくらいのオーバードライブサウンド。ピッキングの強弱に対する反応も良い。これは使いやすい。

ギターのヴォリューム追随性も良い。クランチ程度の歪みならギター側で7くらいに落とすだけでクリーンになる。Del Mar Overdriveの方はキラキラしたクリーンだが、MS SOVはコシのある落ち着いたクリーン。

TONEの効きも面白い。ゼロにしてもコモらずMAXにしてもキンキン耳に痛い音にならず、どの位置でもちゃんとした「使える音」になる。悪く言えばおだやか、良く言えば汎用性抜群てところ。
何かに似ていると思ったんだけど、Boot-Leg RRP-2のトーンの効き方に似ている。高域だけが立つんじゃなくて音全体にエッジが効いてくる感じなので、コモらずキンキンせずに使えるんだと思う。

歪みのキャラも独特で、実音の周りに歪んだ倍音がまとわりついてくる感じ。余韻があるというか。
同じFree The ToneのGIGS BOSONやIRON FORESTはエフェクターとしての歪みの良さを追求したペダル、MS SOVはエフェクターらしいローファイさを持ちながら、真空管アンプらしい歪みの良さを持っていると思った。

ダンブルアンプに似てる?

ちょこちょこ雑誌の紹介でダンブルアンプのニュアンスに似ているとか、ダンブルライクなペダルって紹介されている。自分もダンブルアンプなんて弾いたことないんだけど、YouTubeで聴く限りでは中高域の出方とか音の周りに歪みが乗ってくるニュアンス、1音1音がハッキリ鳴る感じが似ているのかなと思った。

どんなギターに合う?

JAZZMASTERだけでなく、ESP NEO CUSTOMやGRETSCH Tennessee Roseなんかでも弾いたけど、結構ギターを選ばず使えると思う。TONEの効かせ方次第で、ハコモノのTennessee Roseでもボワボワせずに弾けた。

ただやっぱりシングルコイルが一番相性良いのかな。Free The Tone代表の林氏インタビューで「ギターの相性としてはストラト系が良くて、少しトーンを絞ってマイルドなサウンドにすると良い結果が得られると思います」とあるんだけど、確かにそういうセッティングでは甘くて太くて本当に良い音が出ました。

まとめ

なんとなくブルース系の渋い音色のペダルかと思いきや、それだけでなく弾き方、ギター、アンプ、セッティング次第でいろんな表情が出せるペダル。かといって無個性じゃなく、しっかりとMS SOVというトーンがある。これは良いものです。生産終了とか本当に惜しい。大事にします。

MS-2vのデモ動画

SOV-2とMS SOV Specialの比較も。

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