押入れから引っ張り出してきたシリーズ。CARL MARTIN Hot Drive’n Boost Mk3のレビューです。
デンマークのペダルメーカーCARL MARTINの代表的なオーバードライブ・ブースター。CARL MARTINといえばHot Drive’n Boostを思い浮かべる人は多いと思う。これはその3代目のモデルで、初代は1993年登場だから30年近く前、3代目も20年近く前に出た息の長いペダル。
元々Mk2とMk3は学生の時に持っていて、一度金欠で両方売却しMk3は何年か前に再度購入した。そういうペダルはいくつかあります。やっぱり当時は分からなかった感覚とかがあるので、買い直しても新鮮。
あとこのペダルはSUGIZOさんやJさんのラックにも入っていたのでその影響はバリバリある。
外観
ブラックの特徴的なルックスでAC電源ケーブルが生えています。このペダルは時代と共に進化してきて、最初は背の高いデッカい筐体でAC電源で使い勝手は正直悪かった。エフェクターケースに入らないとか、安物のギターケースのポーチに入れたらファスナーが閉まらなくて破けたとか笑
その次は新開発のトランスのおかげで背が低くなって、ケースにも入れやすくなってだいぶ使いやすくなった。
今のモデルは新開発のDC/DCコンバーターによりアダプター経由で電源を取れるようになった。
時代と共に進化しています。音の方はどう変わったかは分からないけど。
スペック
- 入力インピーダンス:1MΩ
- 出力インピーダンス:200Ω
- S/N比:80dB(クリーンアウト)
- 最大ゲイン:+60dB
- 最大ブースト:+20dB
- 外形寸法:120 (W) x 95 (D) x 56 (H) mm
- 本体重量:395 g
背の高い筐体の時は高さが77mmで今より2センチ以上高いことになる。今は大体ツマミ込みでBOSSコンパクトエフェクターと同じくらいの高さなので、とても扱いやすくなった。
コントロール
ツマミは左からブーストチャンネルのBoost Level、ドライブチャンネルのLevel、Wave(Tone)、Gain。
こういう2in1ペダルは今は全然珍しくもないけど、最初に買った2000年代前後は高級品の証だった気がするね。
アウトプットはClean Outと通常Output。Clean Outは正直どう使っていいかいまだにわからん。初期のモデルからずっとついていて、当時は多分チューナーアウトを想定していたのかなと思うんだけど、30年前ならいざ知らずスイッチャーが一般的になった現代でどういう需要があるかは不明です。
サウンド
Driveチャンネルのサウンドはそれ単体だとオーソドックスなオーバードライブで、オープンな感じというかヘッドルームの広さというか、高級感のある音。でも良くも悪くも普通。
このペダルの真価は、やっぱりBoostチャンネル。まずめちゃくちゃ音量が稼げます。大体7〜9時くらいでハリのある轟音クリーン。すぐには歪みが乗らず、とても綺麗な鈴鳴りと艶がブレンドされて一気に音のクオリティが上がる。かけっぱなしにできる。ギターだけでなくベースにも使えるのが良くわかります。
安スタジオのヘタったJC-120とかJCM900でも蘇ったように感じるかもしれない。
シングルコイルだと10時くらいから少し歪みが乗ってくるんだけど、クリーンに歪みがまとわりついてくる感じでピッキングだけでいろんな音が出せて超気持ちいい。とても良いです。
普通だったDriveチャンネルにBoostチャンネルを合わせると一気にDriveチャンネルが化けます。このペダルはBoostかけっぱなしが前提で音作りするのが良いです。
Boostレベルは8〜9時くらい、Driveレベルは12時くらいでOffで極端に音量が落ちないくらいを目安にすると良い。
WAVEツマミはToneコントロールなんだけど、不思議な効果。中域近辺の帯域が増減するようで、ツマミを絞っていくとちょっとフェイズアウトしたような中低域あたりが落ちてイナたい音になる。上げていくと中高域が出てきてハリが出てくる。
Gainはあまり上げると飽和してくるので、13〜14時くらいのクランチ気味にしておくのが良い。
Mk2はゲインがMk3より高くディストーションに近いらしいけどさすがに覚えてないや。
まとめ
以前持っていた時はもっと硬い音だったような印象が残っていたんだけど、今は耳が肥えたのか聴力が落ちたのかは知らんけど、ヴィンテージみたいに古くもなくモダンなイケイケ感も無くとても弾きやすい音。中古を狙っていけば今はもうそんなに価格的に敷居が高くないし、これ一台あればいろんなところをカバーできると思う。
高級エフェクターの先駆けみたいなペダルでもうかなりの長寿なんだけど、今弾くとやっぱり長く生産され続けている理由がわかります。特にこのBoostチャンネルはぜひ試してみてほしいペダル。
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