Free The Tone FM-1V FIRE MIST オーバードライブ

Free The Tone FIRE MIST オーバードライブを購入しました

Free The Tone創立15周年プロジェクト、Integratedシリーズから第一弾としてFM-1V FIRE MISTとSS-1V STRING SLINGERの二つのオーバードライブペダルが発表されました。
どちらも非常にそそられたんだけど、今回は「理想のブリティッシュロックサウンドを再現」したというFM-1V FIRE MISTオーバードライブを購入しました。
とても音の良い、まさにアンプライクという言葉がぴったりなオーバードライブなんだけど、クオリティの高さゆえか俺ごときではシビアな面もありなかなか手強い奥深い味わいのペダル。

スペック

  • 入力インピーダンス:1MΩ以上
  • 出力負荷インピーダンス:10kΩ以上
  • コントロール:LEVEL、TONE、DRIVE
  • 電源:DC9V 電池(9V形006P型)、ACアダプター
  • 消費電流:約10mA
  • サイズ:98(W)×120(D)×51(H)mm
  • 重量:約640g

まず重量がだいぶ重いです。ズッシリとした重さ。Iron Forest Distortionが240g、TRI AVATAR Chorusが380gなので、エフェクター2台分という感じ。ちなみにこないだ買ったNutube Screamer は580gなので、小さい分だけ密度感はあちらの方が塊感がある。

この筐体の大きさや重さもサウンドデザインの一環だそうで、確かに良質なアンプは重いよね。余計な振動が音を濁らすってことなんだろう。

筐体の縦・横・高さ、板厚、全てがオーバードライブのサウンドに影響します。「Integrated Series」シリーズでは、理想のサウンドに適した、全ての寸法を割り出し、ケースサイズを決定しています。また、重量においてもサウンドを重視した適切な重さに設計されています。

外観

Free The Tone FM-1V FIRE MIST オーバードライブ

紅いえんじ色、暗く揺らめくような炎の色か。

Free The Tone FM-1V FIRE MIST オーバードライブ

LEDは写真だと青っぽさがあるけど、実際は白色LED。
ツマミもこだわりの真鍮削り出しのFREE THE TONEカスタムノブ。

バイパスはトゥルーバイパスではなく、Free The Tone独自のHTS回路をさらにブラッシュアップした新しいサウンドデザインのHTS回路だそうな。これは後述するけど凄い良いです。

サウンドレビュー

ギターはESP NEO CUSTOM 、アンプはシミュレーターのAmplitube 4 のMarshallアンプモデルをクリーンで。
まず弾いてみると、もの凄い音のスピード感と重心の低さ。どれだけ優しく弾いても強く弾いてもバッと音が前に出て来てズンズンと音が腹に来る感じはスタックアンプみたい。

感触としてはだいぶ歪む印象。オーバードライブというよりはディストーションに近い感じ。DRIVEツマミ10時〜13時の位置くらいでザラッとした粘りのある気持ちの良い王道的オーバードライブサウンド。
DRIVEツマミ15時位まで上げると飽和した音の壁みたいなディストーションサウンド。音が潰れずに歪んでくれる。
逆に9時位だとカリっとしたちょっと強く弾くと歪むくらいのクリーンなサウンド。音作りの幅は広いです。
ピッキングニュアンスのツキも凄い。優しく弾くとクリーン、強く弾くとジャリ感のあるワイルドなトーン。何やっても音がそのままついてくる。
13時を超えてくるとちょっとノイズが目立つようになる。あまり上げない方が好みかな。ギターのボリュームでクリーンになるくらいの12時前後が良い。

TONE回路はパッシブ回路だそうで、ツマミ全開時がフラットなのかな?でもあまり上げずに12時以下でも十分キレのある音になる。下げていくとくぐもったダークなトーンになっていくが、どんどん甘さが出てきてこれはこれで美味しい音。

LEVELは10時くらいでバイパスと同じくらいのレベルになる。音圧十分。音でかい。ここを基本にして音作りしていくと良いかな。

バイパス音が凄い

前述した新しいサウンドデザインのHTS回路、これが凄い。要はFree The Tone独自のバッファー回路なんだけど。
音にブリンとした弾力が加わると言うか、弦をはじいた時のブリ感に艶があってエロいというか。他のFree The Toneペダルとも全然違いますね。弾いた瞬間にわかるレベル。
バッファーにありがちな音の硬さとかは皆無ですね。

セッティングがシビア

上でも書いたけど、ツマミを上げていくと結構ノイズが目立つようになります。
ただそれはAmplitubeのセッティングが無意識に入力レベルが高めだったことに気付いたり、今までのセッティングの見直しにもなったので良いんだけど。
それでも他のペダルよりも明らかにノイズは乗ってくる気がする。アンプ側できっちりクリーントーンを作ってあげないと、前後につなぐペダルによってはノイズが乗ってくる。
実際の生アンプで音を出せば違うのだろうか?うーんスタジオ入りたい。もしくはアンプで音出しできる環境が欲しい(笑)
DRIVEやTONEを上げすぎなければ問題ないレベルには落ち着くし、あまり上げない位置でのクランチなトーンが本当に良いのでまあこれはこれで良いかと。

まとめ

他のFree The Toneの歪みペダル、Iron ForestやGigs Bosonも良いペダルなんだけど、Free The Toneのペダルってエフェクターの歪みの良さだと思っていた。
このFire Mistの歪み、特にクランチトーンはアンプを弾いているようなダイナミクスとレスポンスと奥行きがある。DRIVEを上げていくと飽和してきてエフェクターっぽい歪みが顔を出してくるけど。
セッティングも含めて凄い奥が深い味わい。ヘッドホンで弾くだけではもったいないな。まだ全然底が見えてない気がする。

デモ動画。

いろんなデモ動画も見漁っているけど、STRING SLINGERのクランチな音も凄い良い感じなんだよね。うーんそそられる。

文句無しにカッコいいオーバードライブサウンドが出てくる。Free The Tone渾身の一作は素晴らしいですね。

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