Fender Mexico INORAN ROAD WORN JAZZMASTERのプリセット回路を改造しました。
デフォルトのJazzmasterのプリセット回路は、モコモコでこれはこれで個性的なトーンが得られるんだけど、あまり使い道の無いトーンでもある。
これをなんとかしてみようと。
使わないからと回路ごとカットしてしまう改造もよく見かけるんだけど、それはJazzmasterらしさが無くなってしまうと思っています。
使わなくても回路を通ることで、良い意味で音が劣化すると言うかローファイになると言うか、それがJazzmasterの音なんじゃないかと思うわけ。
プリセット回路のポットの数値を変更
デフォルトでは、ヴォリュームポット1MΩ、トーンポット50kΩ。これをヴォリューム、トーン、ともに300kΩにしてやる。
なぜ300kΩかというと、たまたまパーツ屋で見かけて面白そうな数値だったから。
普通はシングルコイル250kΩ、ハムバッカー500kΩで、このJazzmasterのマスターヴォリュームとトーンは500kΩにしているんだけど、250kΩほど高域を落とさず、500kΩほど高域を通さず、ちょうどいいのではないかと。
ポットはAlpha製ミニポット。写真はちょっと横着してiPhone 8で撮っています。十分かも?
注意点なんだけど、Mexico、USA製Jazzmaterからプリセット回路ポットの数値を違うものに換えようとすると、CTS製ポットではデフォルトの数値のものしか出していないらしく、選択肢がCTS製以外のものになる。
CTS製プリセット回路用ポットのシャフトの径は4mmで、ローレットノブもそれに合わせてあるので、CTS製ポットから換えると必然的にローレットノブも換えないといけなくなる。
今回選択したAlpha製ポットのシャフトの径は6.35mmソリッドシャフトなので、Retro Toneさんで扱っているアルミ製ローレットノブに変更した。
アルミ製で軽量らしいが、違いはわからなかった。
コンデンサはロシア製オイルコンデンサー
元々はデフォルトの飴玉型フィルムコンデンサーだったんだけど、今回ポットを換えるついでにコンデンサーも換えました。
ブツはロシア製オイルコンデンサ、数値は0.022μF、耐圧630V。
配線はJupiter Condenser White Cotton Wireに
プリセット回路の配線材もついでに交換してみました。
元々はWestern Electronicのヴィンテージ線「Montreux Western Electric NOS Black enamel wire」で、今回交換したブツは「Jupiter Condenser White Cotton Wire」というもの。
4N銅単芯配線材だがそれほど固くもなく、23AWGという珍しい太さ。細くもなく太くもなく扱いやすい。
効果が判別しづらくなるので、プリセット回路以外の部分は手を入れていません。
さてどうなるか?
結果
結果はというと、まずポット交換の効果は大アリ。デフォルトではモッコリして使えなかったクリーントーンが、キラリとしたクリーンで普通に使えるものになった。
歪ませてもしっかりとハイが出て抜ける。これは良い。
トーンを絞ってもしっかり使えるトーンになる。さすがにゼロにしちゃうとスッカスカなんだけど、2〜3くらいまで落とすとゲインと高域が落ちて面白いトーンになる。カリカリしてないクリーントーン、みたいな。
プリセットのボリュームを落としてクリーントーンにするなんていう、前はできなかった芸当までできる。
300kΩのポットにした効果で、マスターの500kΩポットを使うより少しだけ高域が落ちた感じ。これはこれで良いけど、もう少し甘くしたいとかはっきりとした効果が欲しい時は250kΩの方が良いかも。
あと配線材を交換した効果か、中高域のキラッとした倍音感はすごく良いんだけど、低音弦で少しダブつくというか、低音のハリが少し消えたような気がする。
前より柔らかめの線材にしたためかもしれない。ピックアップとの相性もあるのかも。ここは課題だな。
まとめ
トータルとしてほぼ狙い通りになった。この改造は良い。が、…しかしなんだかJazzmasterらしさは少し薄れたような気もする。
それは気分の持ちようなだけだと思うんだけど。
「こいつ使えねーなー」とブツクサ言いながらも楽しむのがJazzmasterやJaguar使いのヒネクレた特徴なのかも。
使いやすさばかり追い求めて普通にしちゃうのもいかんってことですね。
ただ、使いやすさを求めるならプリセット回路の改造は全然アリで、オススメです。
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