新しいBOSSの技クラフトペダル、DC-2W Dimension Cを買ったのでレビューします。
揺れないデチューンサウンドと4つのプリセットボタンという唯一無二の個性を持つペダル。
スペック
- 入力インピーダンス2.2MΩ
- 出力インピーダンス1kΩ
- コントロールペダル・スイッチS/SDD-320スイッチ MODE SELECTOR[1]~[4]ボタン
- 消費電流65mA
- 幅 (W) 73 mm奥行き (D) 129 mm高さ (H) 59 mm
- 質量(乾電池含む)450g
スペック的には入力インピーダンスが高い。エレキだけでなくアコギ、シンセ、ヴォーカルなどいろんな楽器を接続することを想定しているからか。
昔、大学の時にサークルのパイセンがベースとDC-2でキレキレのスラップかましてたので、DC-2Wもたぶんベースに合うと思います。
あと消費電流が少し大きめ。CE-2Wは25mAなので。カスタムモードのSDD-320モードが電気食ってるのだろうか?
ルックス
薄紫のお上品なカラーリング。DC-2はモノラルイン、ステレオアウトだったのが、DC-2Wではステレオインアウトに。いろんな入力に対応できる。特徴の4つのプリセットボタンは、DC-2WではLEDインジケーター付きに。ネジは技クラフトから銀ネジに。
4つのボタンは、LED付きになってこれでどのボタンを押しているのかがすぐわかるようになった。機能的にも2つ同時押しに対応。音の違いは微妙だけど(笑)選択の幅は広がった。機械式では無く電子式ボタンなので、故障の心配も少なそう。
その下にはカスタムモードでRoland SDD-320 Dimension Dモード切り替えスイッチ。SDD-320は使ったことないから単純な音比較はできないけど、きらびやかで派手めな音。個人的にはギターで弾くならスタンダードモードの音の方が好きかな。他の楽器ならSDD-320の方が合うかもしれないけど。
サウンド
揺れないデチューン効果のペダルとして有名なDC-2だけど、実際はほんの少し揺れる感じがします。コーラスとビブラートの間くらいの感じ。よくコーラスと比較されるし実際兄弟のような効果のペダルだけど、別物のようでもある不思議な存在感。
モードボタンは1がベーシックなほぼ揺れないモードで、ナンバーが増えるにしたがってDepthが深くなったような変調感が強くなります。
ただそれでも普通のコーラスペダルのような揺らぎが無いので、クリーントーンでのストロークは綺麗に聴こえるし、アルペジオなんかで音が混ざり合う時もヌケが良く聴こえるようになります。
Roland SDD-320 Dimension Dはスタジオ機器だったこともあって、エレキギター以外にもアコギとかシンセとかヴォーカルとかいろんな入力に使えるってのも納得の効果。アコギに繋いで12弦ギターっぽくしてみるとか、アリかも。
コーラスペダルのような浮遊感は無いけど、DC-2ならではのデチューン効果はとても綺麗。唯一無二ってのもわかります。
コントロールが4つ(同時押しで10パターンのサウンド変化)というのも、分かりやすいようでなんかとても奥が深い気がする。なんせ変化がすこしずつなので、これも良いかな?あれも良いかな?といろいろ試していると深みにハマりそう。で、一番基本のパターン1に戻るっていう。シンプルそうに見えて初見殺しだなこのペダルは。
DC-2とDC-2Wの比較
CE-2Wの時と同じく、今回もオリジナルのDC-2 Dimension Cと比較してみました。
DC-2は今から10年くらい前に買ったんだったかな。今ほど値段が高くもなく、1万円台半ばくらいで買えたような記憶がある。値段と年式にしては傷も無くとても綺麗な状態。
が、買ったあとその存在をほぼ忘れていて、今回DC-2Wが出たことで「そういえば持ってるな」と思い出したっていう。
音の方は、どちらも「ほぼ」同じ音です。「ほぼ」というのは、最初にバッと弾いてみるとどうもDC-2の方が中域に寄っているように聴こえるから。DC-2Wの方がフラット気味に聴こえる。でもDC-2Wと交互に弾いているとわからなくなってくる。同じ音に聴こえるけど、少し間を置いてから弾くとやっぱりちょっと違うように聴こえる。以下無限ループ。耳を澄まして聴いてその程度の差なので、たぶん第三者にはなかなかわからないレベルだと思います。
操作感については、DC-2はLEDインジケーターが無くモノイン・ステレオアウトなので、見た目がだいぶスッキリしている。
同時押しもできないので、超シンプルに4つの音色しか出ない。これはこれで潔くて好きって人もいるのかも。
バッファー音
BOSS DC-2Wのバッファー音は、他の技クラフトペダルと同様にとても自然でキラッとしていて良い音。でも、DC-2のバッファーもそんなに悪いもんじゃない。なんか変わったかな?と感じる程度で、音が硬くなるとかそういった感触は無い。
まとめ
価値の再発見という意味でも、単純に良い音という意味でも、DC-2Wは買って良かったと思います。
ただオリジナルDC-2を持っていてDC-2Wに変えるのが良いかというと、そうでもないかな。元になるDC-2本来の音とはほとんど変わり無いわけで、むしろ中域に寄ったように聴こえるDC-2の方が好みに合うかもしれない。
ギター以外にもいろいろ楽器をつなぎたいとか、ステレオインアウトが欲しいとかSDD-320 Dimension Dのあの音が欲しいんだとか、そういった動機ならDC-2Wがアリかな。
シンプルにギターだけ繋ぎたい人はDC-2を中古で見つけてくればいいと思う。今は値段も自分が買った時よりも高くなっているようで、だいたい同じくらいの値段。CE-2Wの時は高いオリジナルCE-2を買うならCE-2Wを買う方が良いなんて書いたけど(笑)、DC-2Wについては自分の欲しい機能を照らし合わせて決めるのが良いのではないかと。
ギター・マガジン 2018年11月号に新しいWAZA CRAFTペダルMT-2WとDC-2Wの紹介とともにWAZAシリーズの特集記事が組まれています。人間椅子・和嶋氏のエフェクター愛あふれるレビューも必見。
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